これからサッカー界に起こること大予想①〜キーワードは”空転”〜

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1863年にロンドンで”フットボール・アソシエーション”が設立されて以来、様々な側面で発展してきたサッカー界。今回は1人の指導者として2023年のサッカーについて、これから起こることを予想してみましたので興味を持って読んでくださると嬉しいです。それでは、、、

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2トップ&ターゲットマンの活躍

近年は1トップが主流となっていたCFに2トップを選択するチームはかなり増えてくるのではないかと予想します。正確にはターゲットマン+セカンドストライカーという組み合わせになると思われます。

理由は2つ。

  1. プレッシングの向上により自陣での時間とスペースが減少。反対に敵陣での時間とスペースが増加。
  2. 効率よくゴールに迫る、前進する、GKのキック精度の向上

プレッシングの向上がもたらした原点回帰

ゲーゲンプレスが流行した2012年頃から、サッカーにおける”プレス”は急速に精度が向上し、整理されてきたと感じます。RBグループのエクストリームプレスやビエルサの洗練されたマンツーマン、リバプールの外切りプレスなど『守る』ことを守備とするのではなく、『奪う』ことに軸を置いた『守備=攻撃のために奪うこと』という考え方の広がりとともにプレッシングは進化してきました。

このプレッシングの向上により2010年のスペイン・バルセロナに端を発したショートパスを繋ぐことを意識したサッカーを”コピー”していただけのチームはすぐにそのプレスの餌食となりました。

実際にスペインやドイツはW杯やユーロで格下に敗れるなど結果を出せずにいるのが現実です。グアルディオラですら、リバプールのゲーゲンプレスに苦しみプレミアリーグ優勝を阻まれています。

各クラブが緻密に設計されたプレスに対して苦しむ中、明確な解決策を打ち出したのはまたもやペップでした。ペップはGK・エデルソンの加入とともにゴールキックやビルドアップの場面でのロングボールの頻度を増やしています。

空中は守れない〜擬似カウンターの完成〜

プレッシングに対してロングボールが有効な理由は

  • 空中にボールがある時には守れない
  • 人よりもボールの方が速く移動できる
  • DFラインは多くても+1までしかない
ペップが見せた解決策。擬似カウンターと称されるようになる。

このロングボールを利用して相手のプレスを”空転”させるプレー方法は『擬似カウンター』と呼ばれるようになりました。3トップの両翼を目一杯張らせてCFで相手CBをピン留めさせる→広大なスペースに精度の高いボールを入れることでDFは後ろ向きの処理+自チームウイングはスピード勝負という小学生の必勝パターンのようなことが起こり始めたのです。

最終ラインの数的同数を受け入れてもプレッシング

擬似カウンターというプレスを”空転”させる方法が認知されるようになるもなおプレスは緩むことなく、むしろ最終ラインの数的同数を受け入れた上でさらに出ていこうというチームが多く観られるようになりました。考えられる理由としては

  • GKのキック精度が高くなければそこまで脅威ではない
  • ボールが動いている間に寄せることができる
  • 自チームCBの方がフィジカル的に強く、跳ね返す事ができる
  • ショートパスで前進させられる方が嫌

特にGKのキック精度とフィジカル的な優位性をDFの方が持っているということが数的同数を受け入れることに繋がっていおり、GKのキック精度が悪ければ普通のロングボールと同じで跳ね返して回収→マイボールという流れになります。また、空中戦は基本的に長身でフィジカルのあるCBが優位なことに変わりなく、小柄なCFでは太刀打ち出来ないことも多々見られました。

フィジカル能力+αのあるCFの出現

そんな中現れたのが『エーリング・ハーランド』です。この男の出現はドログバの出現と同じかそれ以上の影響をサッカー界に与えることとなります。なんせ1vs2のロングボールで1の方が(ハーランド)が勝ってしまうのですから。しかも強い・高いだけのFWではなく速い+脅威的なフィニッシュ精度+真面目の+α付き。グアルディオラの言いつけをしっかり守り、ロングボールを収めたり中盤まで落ちてスペースを変化させたり、周囲とタイミングを合わせたり。かと思えば背後に抜けて屈強なCBをぶっ飛ばしてゴールも決めてしまう。

ハーランドの衝撃的なゴール

ターゲットマン+セカンドストライカーの選択肢

ハーランドの出現が影響を与えたのは事実ですが、どこのチームもハーランド級の選手を持っているわけではありません。それにいくらハーランドでもロングボールを全て収めるのは至難の業。どうしてもセカンドボールが発生します。実際、シティもギュンドアン+デ・ブライネがセカンドボールを拾う仕事を行っています。

しかしこの1CF+2OMFの形はボールをある程度CFが競り合うことができるのが条件。最低でも相手DFライン手前に落とさなければ、逆に自チームが5人守備に参加できずに攻撃を受けることになります。このリスクを考えると、中堅チームやCF不足のチームはハッキリとターゲットマン+セカンドストライカーの形を取るのではないかと予想します。

CL決勝に進出したインテルはまさしくこの形を取っていて、ジェコ(ルカク)+ラウタロ・マルティネスの形でロングボールでの前進を実現していました。

おそらく今後もプレッシングの波は止まることを知らずに継続・発展して行くことが予想されます。現在その対応策として有効なのはやはりロングボール+回収によるプレスの”空転”であることも変わらないでしょう。GKのキックが標準以上のチームであれば尚更効果的な方法になり得ます。その受け手としてのターゲットマンの活躍、セカンドボール&サポート役としてのセカンドストライカーの活躍は十分に現実的であると考えられます。

苦し紛れではない意図が必要

チームとして狙いがあるプレーでないとロングボールはただの相手へのプレゼントボールになってしまいます。ロングボールの基準をどこに設定するのか、形やタイミングの設定など各チームで色が出てくるのが見どころでしょうか。もしかすると予想に反してターゲットではなくグラウンダーのロングボールが流行ることもあるかもしれません。いろいろなことを考えながら、新シーズンを楽しに待ちましょう!

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