ボールを失わない選手【ベルナルド・シルバ】

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ベルナルド・シルバを初めて見たのは数年前のチャンピオンズリーグ、モナコvsマンチェスター・シティの試合でした。当時はまだモナコに在籍していたベルナルド・シルバのプレーを見て目を離すことができなくなるとはこういうことかと思ったのを覚えています。

ポルトガルの名門・ベンフィカで育ち2013年にトップチームでデビューするもなかなか出場機会を得られず、翌年フランスのASモナコへとレンタル移籍を選択する。これが運命の第一歩となる。その年、ハメス・ロドリゲスやファルカオを失ったチームは若返りを目指して有望な若手たちを獲得していた。その中でシルバは抜群の存在感でチームを引っ張り、チャンピオンズリーグではベスト4、国内リーグでは優勝とその名を世界中に知らしめた。

2017年にはダビド・シルバの後釜を探していたマンチェスター・シティに移籍する。当初はプレミアのフィジカルやスピードに少々苦労するも、チームメイトたちのサポート、監督のグアルディオラが辛抱強く使い続けたことや、ダビド・シルバの退団もあり今ではシティの中心として必要不可欠な存在となっている。

マンチェスターシティ公式チャンネルより。

ベルナルド・シルバの特徴は左利きであること、落ち着いていること。武器はそれらを駆使したプレー。左利き特有の相手から遠い位置にボールを置く持ち方に加えて、シルバの場合は足が届くギリギリのところにもボールが置ける。足から離れていると思ってディフェンダーは奪いにいくが、キュッと足首だけでボールを動かせるので、ディフェンダーは最も簡単に無力化されてしまう。ほかにもボールの置き所で相手の足を出させて、相手の足が出てきたところを左→右のダブルタッチでかわす(この時の右足はほぼ壁状態)、左足のアウトサイドとインサイドを組み合わせながらのターンというプレーがあるが、大きく分けてこの3つのプレーだけでシルバのプレーは成り立っている。もちろんカットインからのシュートや、質の高いパスやクロスなどハイレベルなプレーばかりだが、グアルディオラが好んでシルバを使う理由は3つのプレーを組み合わせながらの圧倒的なキープ力だろう。

リヴァプール戦で見せた圧倒的なボールキープ。

また、シルバはグアルディオラと出会ってよりランニングプレイが増えたように感じられる。スペースにボールを出す側から受け取る側にもなれるようになり、よりチャンスを作り出す回数も増えている。ダビド・シルバが得意としていたハーフレーン奥への進入からのクロスはデ・ブライネとベルナルド・シルバがしっかりと受け継いでおり、シティの崩しの武器としていまだにチャンスを生み出している。

グアルディオラに言わせれば彼は水を運ぶ選手として重要だそう。チームがうまく回るように、チーム全体を眺めながらここぞの場面で自らを解放する。それ以外はチームの仕事を淡々と繰り返している。無理なドリブルや派手なテクニックを見せつけることはなく、ただどうやってゴールを決めるかそのことだけを考えているように映る。

現在シルバは移籍を求めていると言われている。数年前からポルトガルにいる家族とは離れて暮らしているそう。昨年の夏もポルトガルへの復帰を希望していたが、皮肉なことに自身の活躍により移籍金は膨大な額が必要になってしまったため、ポルトガルにはそれを払えるクラブはないようだ。今夏は、母国ポルトガルに近く気候も似ているスペイン・バルセロナがオファーを出すのではないかと言われているが、そのバルセロナも現在深刻な財政難に陥っているため、実現は簡単ではないと見られる。果たして、ベルナルド・シルバの未来はどこにあるのか。今後の動きに注目したい。

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