ロベルト・デ・ゼルビの監督歴/指導歴は?

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デ・ゼルビ

今回は前回のロベルト・デ・ゼルビの選手歴に続いて、監督歴/指導歴について調べました。

どこの国のどのクラブを指揮してきたのでしょうか。また、指導スタイルや目指すサッカーはどの様なスタイルのサッカーなのでしょうか。

選手歴についての記事はこちら!
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ライセンス等のデータ

生年月日は1979/06/06 と監督としては比較的まだ若い部類に入る年齢です。しかしながら、監督としてはすでに約10年のキャリアがあります。

今まで指揮してきたチーム数は7チーム。平均の在任期間は1.10年となっています。

また現在保持している指導者ライセンスはUEFA Pro ライセンスです。これはセリエAやプレミアリーグで監督を務めるために必要なライセンスですので、早い段階から取得していた事が予想されます。

指揮してきたチームで好んで使用するフォーメーションは1-4-2-3-1ですが、守備時や攻撃時でポジションが入れ替わったりすることが多く、フォーメーションではなくタスクや原則・約束事でチーム内のポジションがあると思われます。

監督/指導者キャリア

監督/指導者としてのキャリアは以下の通り。

チーム就任退任試合数平均勝ち点
ブライトン2022/09/18~現在11.00
シャフタール・ドネツク2021/05/252022/07/11302.17
サッスオーロ2018/07/012021/05/241201.38
ベネヴェント2017/10/232018/06/30290.72
USパレルモ2016/09/062016/11/30130.38
フォッジャ2014/07/012016/08/14901.86
ダルフォ・ボアリオ2013/11/192014/06/30

実に7チームを指揮してきた事がわかりました。また指導歴は9年ほどということになります。イタリアの下部リーグからステップアップしてきた叩き上げタイプの監督で、最初から華やかな舞台に立っていたわけではなく地道に一つずつ積み上げて今回プレミアリーグの舞台にたった苦労人です。

今まで率いてきたチームもビッククラブやそれに次ぐチームというわけではなく、中位にいるチームであったり、ヨーロッパの5大リーグではない国の競合であったりと、指揮するチームも完成された能力のあるチームというよりは、未完成ながら伸び代があり育てがいのあるチームを選んでいるように思います。

各クラブでの働き

フォッジャ

当時はセリエCに所属していたフォッジャを率いていたデ・ゼルビは、試合後の次の日に勝っても負けても引き分けでも、前日の試合を何度も見直しては修正点を探し指摘していたそうです。

これはトップレベルの世界では今では当たり前のように行われていることですが、当時イタリアの3部にいる若手の監督が行うこととしては稀なことだったと、当時のコーチが語っています。

チームのプレーするスタイルはやはり当時から、後方からのボール保持とビルドアップに取り組んでいたようで、技術よりもフィジカルが重視されていたセリエCでも異端だったようで、そのスタイルに懐疑的だった人たちも多くいたそうです。

パレルモ

当時セリエAに所属していたパレルモでは、監督としての自身初のセリエA挑戦となりましたが開幕から結果が出ず、ホーム戦では全敗を喫してしまいます。順位も19位と振るわず、コッパ・イタリアで当時2部にいたスペツィアに敗退したことを受けて解任されてしまいました。

後にインタビューではパレルモ時代について、チームの補強について監督として発言する事ができず、会長とも考え方の相違があったと語っています。

ベネヴェント

パレルモを解任されてからしばらくの休暇を終えて、再びセリエAの舞台に帰ってきます。

セリエA昇格組として、なんとしても残留したかったベネヴェントが開幕からの9連敗という結果を受けて、監督を解任。後任にパレルモで残留争いの経験もあるデ・ゼルビを指名します。パレルモでの経験が意外な形で生きたと本人も答えていました。

就任後は早速2連勝でチームに残留の希望の光を灯しました。

就任に際しては「残留できると確信している。私は情熱を持って最後まで取り組むつもりだ。」と答えていました。

しかしその後は勝利を重ねる事ができず、開幕からの9連敗も響いてチームを残留に導くことができませんでした。シーズン終了後、そのシーズンを持ってベネヴェントの監督を退任することを発表。翌日、サッスオーロの新指揮官として就任することを発表しました。

ベネヴェントでは結果は降格となってしまいましたが、ポゼッションベースの攻撃的なスタイルは見るものを魅了し賞賛を浴びました。

この頃から少しずつですが、デ・ゼルビの目指すスタイルを認める指揮者も現れ、イタリア国内での注目を集め始めます。

サッスオーロ

ベネヴェベントで見せた魅力的なサッカーを受けてイタリア国内の複数クラブからのオファーを受け取ります。カリアリとサッスオーロが実際にオファーを出した中で、デ・ゼルビはサッスオーロを選びました。

サッスオーロでは、イタリア代表のベラルディや後にユベントスへとステップアップするマヌエル・ロカテッリらを指導してそれまでのサッスオーロとは違った、後方からのショートパスを駆使した攻撃的なスタイルのサッカーを展開し、2年連続でセリエAで8位に入りました。

しかしながら指揮した3シーズンの間でタイトルを取ることはできませんでした。サッスオーロを退任することを発表した際には「もう私に教えられることはない。」と発言し、指揮官として新たなチャレンジをすることを発表しました。

サッスオーロでの3年間はデ・ゼルビの評価を一気に高めイタリア国外でもその名を知られる様になりました。後方からのデザインされたビルドアップや崩しの場面の多彩さは見るものを魅了し、ユベントスやイタリア代表監督に推す声も上がる中、来シーズンからのシャフタール・ドネツク監督就任が発表されました。

サッスオーロ時代のフルマッチ。

シャフタール・ドネツク

サッスオーロでのシーズンを終えて、シャフタール・ドネツクの監督に就任しました。

シャフタールはブラジルの有望な若手が多く在籍していたり、ウクライナ代表の選手たちが中心のチームであることから、ボールスキルに優れた選手が多く、デ・ゼルビの目指すサッカーにマッチしたチームでした。

ウクライナリーグでは圧倒的な力で優勝し、チームをチャンピオンズリーグ予選通過&本戦出場に導きました。チームはデ・ゼルビの就任当初からそのスタイルを表現し、サッスオーロで見せたものよりもより守備組織を整理したものへと進化させていました。

残念ながらウクライナリーグは中断となり、デ・ゼルビとそのスタッフたちは契約を解除して新たな挑戦へと向かいました。

シャフタール時代のフルマッチ。

指導スタイル&サッカーのスタイルは?

選手と共にプレーすることもある

デ・ゼルビ自身も選手としてプレーしていたので、チームでのトレーニングのウォーミングアップでは選手と共にプレーしている姿を見ます。選手に名前を聞いたり、実際に一緒にプレーしながら、その都度改善点を伝えたりしています。

実際にトレーニングの内容やミーティングの内容などを調べることはできませんでしたが、インタビューなどから思慮深く、選手に寄り添いながらチームマネジメントをするタイプであると推測されます。

試合中もベンチから大声で怒鳴り散らかすというよりは、落ち着いて戦況を分析し、選手に声をかけている姿が見られます。もちろん怒ることもありますが、しっかりとした理由があって怒るので選手たちも不満そうな素振りは見せていません。

ペップから影響を受けたアタッキングフットボール

デ・ゼルビがチームに植え付けていくサッカーは大まかにまとめると、『後方からボールを動かしながら相手をずらして隙をつくショートパス主体のアタッキングフットボール』といった感じです。

おそらく、細かいプレー原則やスキルの部分はかなりあると思われます。というのも、指導したどのチームでも同じようなプレースタイルのサッカーをすること、選手も全く別物のようにプレーすること、似たようなプレーが繰り返し見られることがあるからです。

特にセンターバック間でのボールの動かし方はどのチームも似ているので、注目してみたいポイントです。

他にもどちらかのサイドバックはビルドアップ時にセンターバックと共に全身の役割をになったり、ウイングはサイドに張る時と内側に絞る時の決まりがあったりととにかく整理すればするほど面白いのがデ・ゼルビボールです。

以前インタビューでペップ・グアルディオラのバルセロナとバイエルンに多大な影響を受けたと答えていました。ボールを簡単に蹴り出すことなく、技術、戦術、能力を最大限に生かすためのサッカースタイルは非常に似通った点も多くあります。しかし、ペップはペップの、デ・ゼルビはデ・ゼルビの特徴があります。同じプレミアの舞台で両指揮官が対戦する日が待ち遠しいです。

まだまだ進化するデ・ゼルビボール

初挑戦のプレミアリーグでの初戦は、また新たなサッカーを披露してくれました。これまでとは違う3バックでゲームに入り、途中から4バックにするなど新たな取り組みをおこなっている様です。

ポジショニングなどにまだずれがあり、これまでのチームで見せていたようなスムーズなボールの送り込みは見ることはできませんでした。しかし、守備時のプレスの掛け方やボール保持時のポジショニングは改善されている部分もあったのは事実です。

これから時間が経てば経つほどさらに魅力的なサッカーをすることは間違いありません。進化を続けるデ・ゼルビを今後も追いかけていきます。

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