21/22シーズンのブンデスリーガをバイエルン、ドルトムントに次ぐ勝ち点64の3位で終えたレヴァークーゼン。夏の移籍市場ではレンタルから復帰した選手やU-19チームからの昇格がメインで、大きな補強はなかったものの主力の引き止めにも成功し、チャンピオンズリーグでの躍進も期待されていました。
ところが22/23シーズン開幕戦のドルトムント戦に0-1で敗戦するとそこから全く調子が上がらず、ブンデスリーガでは8節までで1勝2分5敗と大苦戦。チャンピオンズリーグでも勝点3が見込まれたクラブ・ブルッヘに0−1で敗北。ホームでのアトレティコ・マドリー戦には勝利したもののその後グループリーグ2連敗となっていました。
21/22シーズンにはリーグで80ゴール47失点と悪くなかったスタッツも、今シーズンは開幕8試合で5ゴール17失点と大きく崩れてしまっているのがわかります。
監督解任
リーグの開幕から調子の上がらないチームを見て、クラブは2021年7月から指揮していたジェラルド・セオアネの解任を発表。チームをチャンピオンズリーグへと導いてくれたセオアネに感謝の意を示しつつも、やはり成績不振、特にホームでの勝利が少なく内容も伴わないことが原因となり解任の運びとなりました。
シャビ・アロンソが新監督に就任
10月6日、レヴァークーゼンは新監督として元スペイン代表でレアルソシエダBなどで監督経験のあるシャビ・アロンソを迎えることを発表しました。
シャビ・アロンソはバイエルンで現役を引退した後レアル・マドリードU-14の監督やレアル・ソシエダBの監督として経験を積んでいました。
率いたどちらのクラブでも素晴らしい結果を残し、特にレアル・マドリードU-14では無敗でリーグ優勝を成し遂げ、レアル・ソシエダBでは戦力的に若手の多いチームを3部リーグ優勝・2部リーグに昇格させるなど育成の手腕が評価されています。
トップチームでの指揮は初めてになりますがこれまでもレアルやバイエルンでリーダーとして振る舞ってきた経験や、ビッククラブで培ったプロフェッショナリズムなどは唯一無二のものがあります。また、ブンデスリーがという土壌も選手時代に経験しているため適応は問題ないと思われます。
ブンデスリーガ初戦は勝利!
10月8日に行われたブンデスリーガ9節・シャルケ戦。昇格組のシャルケが相手ではありましたが序盤から相手を押し込み、終わってみれば4-0の圧勝。久しぶりのホームでの勝利に選手もファンも歓喜している様子でした。
前監督との大きな違いは1-3-4-3のフォーメーションを初期配置として使用したところでしょう。後ろに重心をかけるのではなくあくまで相手を前に進ませない、積極的に守備に行くこと選手たちにを求めていました。
まだまだチームの戦術的な部分や、それ以外のチーム作りの部分には時間がかかるため変化が見られるのはもう少し先になるかと思われますが、まずはリーグ初戦を勝利で終えることができ指揮官としての信頼度も掴むことができたのではないでしょうか。
チャンピオンズリーグ初戦は敗戦。。。
ブンデスリーガに続いて行われた監督としてのチャンピオンズリーグ初戦はホームでのポルト戦。観客動員数は前回のアトレティコ戦より5000人多い3万!期待値の高さがわかります。
しかしながら結果は0-3の完敗。シャビ・アロンソは自身初の監督としてのチャンピオンズリーグ初戦について、
”チャンピオンズリーグでは小さなミスが命取りになる。今日、それを目の当たりにしたよ。結果については話すのが難しい。今日はそれ(敗戦)に値しなかったからだ。”
と話していました。何度も追いつくチャンスがあったものの決めることができず、逆に自分達のミスやスキをつかれて失点してしまったことへの反省を語っていました。
この結果を受けてレヴァークーゼンはグループ最下位に沈んでいます。
監督としては最適なチームを選んだ
シャビ・アロンソはトップチームの指揮官にデビューするクラブとして最適なチームを選択することできたのではないかと考えられます。
1つはレヴァークーゼンがチャンピオンズリーグに出場していること。ヨーロッパのより高いレベルのクラブと戦うことができるというのは、監督としてなかなか経験することができない貴重な時間です。そこにすぐに飛び込むことができるのはこれ以上ないくらい最高の環境です。
2つ目は戦力が充実していること。レアルやバイエルンのようなステー選手ばかりではありませんが、ドイツ代表に名を連ねる選手や代表に常に呼ばれているような実力のある選手が多数在籍しています。他にも有望な若手選手も在籍しているため、育成の手腕に定評のあるシャビ・アロンソにとっても若手選手にとってもメリットが大きいのは間違い無いでしょう。
3つ目はチームがうまくいっていなかったこと。これは意外と大きな側面で、チームがうまくいっていなかったから監督が交代になったのですが、うまくいっていなかったということは変化を求められているということ。つまりシャビ・アロンソはある程度自分のやり方でチームを再編成することができます。チームが大胆な変更や監督のやり方を受け入れてくれやすい状況なので、シャビ・アロンソの考え方ややり方が浸透しやすく、監督としてやりやすい状況にあるからです。
長い目で楽しみたい
ブンデスリーガは既に3分の1程度が進んでいますが、まだまだシーズンの道のりは長く、就任してからも日が浅いのが現状です。目の前の結果と、その先の栄光と両方を求めて必要な時間は十分に与えてほしいと思います。
レヴァークーゼンとシャビ・アロンソの旅はどのような過程を歩んでいくのか、楽しみで仕方ありません。
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