ウィサム・ベン・イェデル。リーグ1(フランス1部)のモナコに所属するチュニジア系フランス人のサッカー選手だ。同じくフランスのトゥールーズFCで活躍したのち、セビージャに移籍。そこで公式戦18ゴールなど結果を出すと、2019年に現在のモナコに移籍し替えの効かない存在としてチームを牽引している。フランス代表にもアンダー世代から招集されており、U21代表の際にはグリーズマンやエムヴィラなどと夜遊びをして1年間の代表活動停止を受けている。
そんなベン・イェデルだが、実は継続的に得点を取り続けているかなり優秀なストライカーの1人なのだ。フランスと言えばムバッペやベンゼマ、グリーズマンなどアタッカー系のスコアラーはいるのだが、まさしくストライカーというタイプの選手は意外といない。その中で両足が器用に使えてポストプレーが上手くフィニッシュも上手い、まさにストライカーというタイプなのがベン・イェデルなのだ。
特徴が似ている選手としては、イタリア代表のインモービレや現在は引退しているが元スペイン代表のダビド・ビジャなどが挙げられる。いわゆる9番タイプのストライカーでゴール前の局面で力を発揮する。ゴールから離れた距離でのドリブルによる打開などはほぼ無く、シンプルなパスで味方にボールを届けてはボールを受けて捌くといったプレーを繰り返す。確かなスキルを持っているがあくまでも得点を取るために使うといった感じか。しかしゴール前となると話は違ってくる。多少強引にでも局面を打開しようとドリブルで仕掛けるし、フィニッシュも積極的に狙っていく。ゴールを決めることが1番の評価基準となるストライカーとして生きる選手らしさが詰まったプレーを見せてくれる。
Atlassisより。
ベン・イェデルの特徴はやはり得点を取るといった部分に強みがあり、左右両足をほぼ遜色なく使えること、ディフェンスラインの背後に抜け出す動きが上手いこと、決定力が高いことが挙げられる。あたりまえなのだがストライカーに必要な(というかこの能力が高ければ高いほどいいストライカーだと思われる)ものを併せ持っている。左足でのボレーシュートやループシュートでのゴールも多く、それだけ得点できる範囲がかなり広いと言える。おまけにコースを打ち分けるのが上手い。ドカンドカン打ちまくるのではなくゴールキーパーとの駆け引きが入っているので思わず「上手い!」と声が出てしまうようなフィニッシュが多い。
駆け引きの部分ではディフェンスラインとのオフサイドになるかならないかという勝負もまた深さがある。一度オフサイドラインを超えるがそこで一旦立ち止まることで、自然と相手が下がるためオンサイドに復活するという技を度々見せる。かと思えば、シンプルにタイミング良く背後に飛び出すこともするためディフェンスラインからすると捕まえづらい選手だろう。また、プルアウェイで相手の背後または2人の間をとって2タッチでフィニッシュに持っていくこともできる。
フィニッシュの場面はほとんどが2タッチ以内で完結されていることから、そういったプレーのイメージを持っているタイプだと伺える。やはりタッチ数が多くなればなるほど、状況は自分のイメージからどんどん離れていくためストライカーとして素早く仕事を終わらせることは大切なのだろう。PKによる得点も多くモナコでは替えの効かない選手として活躍するだろう。
そのモナコにはつい先日、リヴァプールから日本代表の南野拓実を獲得したことを発表した。ベン・イェデルのワントップにトップ下が南野拓実というコンビがフランスをし盛り上げてくれることに期待して記事を終わりたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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