現代サッカーではどのポジションの選手にも得点に関与することが求められています。
それは守備戦術の発達や、選手のフィジカルの発達などによってフォワードの選手の単独での得点というのが難しくなったことが理由の一つに挙げられます。
そこで、攻撃時のコンビネーションや人数を増やして厚みのある攻撃などが攻撃手段として発達してきました。
サイドバックの選手にも守備だけではなく攻撃面での貢献が求められるのは当然のこととなりました。
今回はサイドバックの選手がこんなプレーをしていたら思わず「うまい、、、」と声が出てしまいそうなポジショニングについて解説していきます!
ゴール前に進入する動き
みなさんがこの画像の右下に映る選手ならここからどういった動きをするでしょうか。
前方に広いスペースがあるから飛び出していくと言う方がほとんどではないかと思います。
実際にこちらの選手が選択したプレーは、前方に飛び出してシュートを打つというプレーでした。タイミングよく前方に飛び出して得点を決めました。
ゴール前という状況なので当たり前のプレーのように思いますが実はこの選手、この試合では左サイドバックとしてプレーしていました。
サイドバックの選手であればまずは守備のリスクを考えて前線にはあまり上がらないといったプレーを選択することもありますが、前方にスペースがある場合は攻撃に参加してみましょう。
ゴール前に入り込む動きでで大切なのは入り込むスペースとタイミングです。
ワイドに張る動きではなく、ゴールに直接向かっていくような動きをすることでまずは自分自身が得点するチャンスができます。
外側のスペースはもしディフェンスが追いついてきたり、ボールにうまく寄せてきてシュートが打てない時に、ボールを失わないための逃げるスペースとして確保しておきます。
ゴールに近づけば近づくほどディフェンスというのは中央を守ろうとします。
そこでスペースのあるハーフスペースに、ディフェンスの視野の外から進入することができるようなポジションを取ることを心がけましょう。
また、ゴール前に進入するタイミングは非常に重要です。
早くスペースに出過ぎてしまうと相手も気づいて対応してしまいますし、味方選手もパスを出すタイミングを逃してしまいます。
逆に遅すぎると、味方選手がゴール前でプレッシャーを受け続ける状況になってしまい、最悪の場合ボールを奪われて自分が上がったことでできたスペースにカウンターを受けてしまいます。
ベストなタイミングは、ラストパスを出す味方選手がファーストタッチをした瞬間に横を通過することができれば良いでしょう。
これについてはチーム内でも練習が必要なことなので、トレーニングで何度も失敗して正しいタイミングを掴んでいきましょう。
逆サイドからのクロスを仕留める動き
続いては逆サイドからのクロス、あるいはこぼれ球を仕留めるポジショニングです。
このポジショニングはサイドバックのセオリーからはかなり外れているようなポジショニングになりますが、マンチェスターシティのカンセロ選手やバルセロナのダニ・アウヴェス選手などはよくこういったポジショニングをとっています。
ダニ・アウヴェスの得点シーン。サイドバックと言う言葉が全く当てはまらないくらい内側にポジションをとっています。
味方選手がゴール前に飛び込むことでできた広いスペースに入り込んでいます。
直接クロスが来てもチャンスになるし、味方のルーズボールを拾うこともできます。
逆サイドにボールがあるときに内側にポジションを取ることは、得点のチャンスを広げることができるプレーです。
これは例えば左サイドにボールがあるときに、1番得点を取りやすい場所から順番に考えていくとわかりやすく、ゴール正面から遠ざかれば遠ざかるほどシュートコースは狭まっていきます。
また、サイドバックの選手が逆サイドから飛び込む動きは相手選手にとって非常にマークがしずらい動きです。
ボールと人が違う方向からくるため、両方同時に見ることができずにマークを見失ってしまいます。
その結果遅れて対応してしまうことになりますが、ゴール前ではその一瞬でもあればシュートを打つことができます。
どちらのプレーもボールとは違う方向から走ってくることで相手の視野から外れて、シュートを打つことができています。
逆サイドにボールがあるときはゴール前に走り込むことでチャンスにつなげることができます。
パスコースを増やす
最後はポジショニングで味方選手のパスコースを増やす・開けるプレーです。
サイドバックだからといってタッチラインに張り付いているだけでは、味方選手を助けることもパスを受けることもできません。
チーム全体が自分とは反対のサイドに寄っているときは、サイドバックの選手も寄るようにすると良いです。
マンチェスター・シティのカンセロはこのように積極的に横のパスコースを作りにいきます。
サイドの張るのではなく中央に行くことで味方との距離を短くし、インターセプトのチャンスを与えないようにできます。
また、中央の方がサイドよりもプレーエリアが広いため相手のプレスに対して回避がしやすいというメリットもあります。
ボランチやアンカーの選手の横には大きなスペースが出来やすいという、システム上の穴を見つけてそこでボールを受けることができれば、サイドバックでもゲームを組み立てることができますし、 チームもボールを失うことがなくなるので、積極的に中央付近でもボールを受けることをおこなっていきましょう。
タイミングが重要
今回は攻撃時にスペースに出ていくプレーを紹介していきましたが、サイドバックというポジションはもちろん守備ができなければいけません。
その上で前方に飛び出しての攻撃、味方のサポートができる選手が良いサイドバックと言えます。
攻撃に参加するのはタイミングが悪いと、逆に味方のパスコースを消してしまったり、相手にボールを奪われてカウンターのピンチを招いてしまうこともあります。
トレーニングで味方とのタイミング、どういったタイミングなら味方に使ってもらえるのかを考えてサイドバックからの攻撃にチャレンジしていきましょう。
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