カカ2世と言われた男【ルーカス・パケタ】

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ブラジルでは子どもたちはまずフットサルからボールに触れることを始めるという。狭いスペースで相手との距離感が近いため、足の裏を使ったコントロールやわざとボールを浮かして狭いスペースの中でも突破したりと、特有のプレーが見られる。ネイマールやコウチーニョがフットサルをプレイしていたのは有名な話で、ルーカス・パケタもそういった類の選手の特徴がある。


LUTYHD より。

フランスのオリンピックリヨンに所属するルーカス・パケタはフラメンゴで育成された。トップチームに昇格してからはすぐにポジションを確立し、トップ下として創造性とハードワークを武器とするプレーヤーとしてメディアからは期待も込めてカカ2世と言われた。カカ2世と言われた理由は、イタリアのACミランに移籍したことも理由の1つだろう。レジェンドの名を背負って加入したミランでは適応に苦しみ37試合で1得点と力を発揮できなかった。ルーカス・パケタ自身の若さもだが、当時のミランはまさに暗黒期で起用法やスタイルも定まっていなかったことも原因の1つだろう。パッとしないままフランスのオリンピックリヨンに移籍する。そこで徐々に復活すると、21-22シーズンは35試合9得点6アシストの大活躍。ブラジル代表にも継続的に呼ばれ、王様ネイマールとも相性がかなり良い様子でW杯では主力として活躍することが期待される。

ルーカス・パケタのプレーはスキルとフィジカルがの調和が取れている。スキルは利き足の左足でボールを触ることがほとんどで、右側にボールが来たら左足でボールを触りに行きながらクルッと回転して前を向くか、キープの体制に入る。普通キープの体制に入ると後ろ向きのプレーに捉えられることが多いが、パケタの場合はフィジカル的な能力が高く相手を背負ったまま周りを見る余裕がある。そこに彼の前への意識が高いことも相まって、ヒールで前方の味方にボールを届けたり背負ったまま進むといったプレーを選択することが多い。所属するリヨンではその背負ったプレーが評価されて、トップ下以外にもセンターフォワードとしてプレーした試合もある。

ASComps – Match Compilations より。


前への意識はものすごく高い。ボールホルダーの状態が前向きであれば、自らはそれを追い越す動きをするし、ボールを受ける際もまずは前を向いて受ける準備をしている。あるいは受けてから前を向けるように準備している。その意識は守備にも現れていて、ボールを奪いにいくプレーが多いので組織に組み込みやすい点も彼の評価を高める要因の1つだろう。ブラジル代表では守備意識の低いネイマールをうまくサポートしながらプレーできることから、チッチ監督はワールドカップでも好んでパケタを起用することが予想される。

現在はプレミアリーグのアーセナルや金満クラブとなったニューカッスルが獲得を狙っていると言われている。どちらにもブラジル代表の同僚が所属しているため、環境としては問題なくなじめるだろう。プレー面では、やはりチームの中心として活躍できる選手のため、アーセナルのポジショナルなサッカーよりはニューカッスルの個人の能力を生かしたサッカーが合うだろう。アーセナルでのプレーも見てみたいが、、、

ミランで1度失格の烙印を押されながらも根気強く力を示し続けてきたルーカス・パケタは、プレー面でも力強く忍耐力がある。ブラジル人らしいスキルとアイデア、そして現代的なハードワークとフィジカルを持つルーカス・パケタに注目して見てほしい。

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